本を読みました 矢口敦子さんの「そこにいる人」

そこにいる人 (幻冬舎文庫)

そこにいる人 (幻冬舎文庫)

164P.のたよりない一冊に命の重みがつまっている。病気の姉を持った妹の話。矢口敦子サンならではの一冊。
兄弟って――
命って――
谷村という、主人公の直子に想いをよせる男の子が言った言葉

「僕の人生は、どんなものであろうと、僕用にあつらえたんであって、ほかのだれのためでもないだろう」
人生は一から十まで自分のものだ。
自分を生きる。他のだれのものでもない自分を生きる。
直子と二人手をつないで歩くラストシーン。谷村クンのあたたかい手のぬくもりを感じながら、せつないけれどあたたかい気持ちに満たされた。