東野圭吾サン 『片想い』 深い想いを秘めた片想い

片想い (文春文庫)

片想い (文春文庫)

結構分厚い本で、読み応え十分。なのに、あっというまに読み終えた気がする。
大学時代のアメフトチームの友情をベースに、ミステリアスな片想いが語られていく。
性同一性障害とか、ジェンダーとか、カストラートとか半陰陽とか。
様々な形で秘められた様々な想いが謎解かれていく。
「男と女はメビウスの裏と表の関係」ややもすれば、裏返った性に行きつくという・・


3年B組金八先生上戸彩チャンが演じた性同一性障害の女性徒。
その少し前にこの小説は書かれているという。
ドラマを見たからこそ、この小説の深い意味が少しは分かる気がした。
男はこうあるべきもの、女はこうあるべきもの、という考えにとらわれず少数派の人間がいてもいいのではないか。
心と体が違うとは、誰が決めたのか。
大多数の人が持つ特徴と違うからといってそれは障害ではない。ただの少数派の人間ということ。
バリアフリー」この小説は、男とか女とかを超えた自然体の人間愛がちりばめられている。