矢口敦子さんの 『愛が理由』 には女性の孤独が詰まっている

愛が理由 (幻冬舎文庫)

愛が理由 (幻冬舎文庫)

アラフォーの翻訳家・麻子の親友・美佐子が突然死んだ。
親友の夫から呼び出され、横たわった美佐子の最期に直面する。
「自殺」なのか「他殺」なのか――
主人公の友人二人を加えて、微妙にかみ合わない学生時代の記憶を紐解きながら謎が明かされていく。


「実はあの時はね・・」既に時効となったとばかりに語られるエピソード。
学生時代にはピュアすぎて語れなかった思いを聞く時のノスタルジー
女性ならではの心のひだを、過去に遡って解き明かす。
孤独から足を踏み出す結末が温かくてうれしかった。


「心中ゲーム」に登場する美少年・泉。
その言動が愛くるしくて、こりゃあ惚れるわなっ的描写の数々。
いままで読んだ矢口ワールドの中で断トツの輝きを放つ少年。
でも、心はダークってとこが危うげで矢口ワールドの真髄ってか――(`・ω・´)