『ゆれる』 オダギリ・ジョーサンと香川照之サンが大好きなもので・・

ゆれる [DVD]

ゆれる [DVD]

故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟(オダギリ・ジョーサン)。
実家に残りガソリン・スタンドを切り盛りする兄(香川照之サン)。
スタンドで働く昔の恋人・智恵子(真木よう子サン)と弟の再会。
そして三人で行った渓流で、吊り橋から落下して智恵子が亡くなる。
傍にいたのは兄。事故だったのか、事件なのか?
ゆれる弟が出した結論は・・


香川照之サンに軍配。
ゆれる橋の上で智恵子の服を握りしめて卑屈に怯えた顔が、後々まで尾を引いて見ている者の心が「ゆれる」
ちんまりと正座して家族の洗濯ものをたたむ後ろ姿とか。
三人で行った渓流で殊更にはしゃぐ姿とか。
刑期を終えて出所した後の、さばさばとした煩悩の抜け切った風貌とか。
バス停にバスが滑りこんでくる直前に、対岸から呼び止める弟に気づいた時の「極上の笑顔」とか――


オダギリ・ジョーサンだから成立する(ほぼ)二人芝居。
心の機微を本当に細かく描いていて「ゆれる」弟が、うっとおしくて・・愛おしかった。
兄とか弟とか、家族とか家業とか、立場とか思いとか・・
いっぱい詰まっていて最後は泣いたTωT