道尾秀介サン 『向日葵の咲かない夏』 に震えた

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

このミステリーがすごい! 「2009年度版 作家別投票第1位」
どんな文章を書く人なのかな?っ的なのぞき見精神で読み始めて・・
宮部みゆきサンの『ブレイブ・ストーリー』を読んでいるような感覚でした。
内容は全然違うというのに。なんだろう・・リアルとフィクションの混ざり合う感覚が似いてるのか・・
決定的に違うのは『ブレイブ―』は明るい光に向かっていく物語で、『向日葵―』は暗い絶望に向かっていく物語。


捻じ曲げられた(最初はそうだとは気づかないけれど)物語が、少しずつ元に戻っていく過程で見せる様々な顔。
少しずつ謎が解けていく中で最後に残ったものは「希望」ではなく「絶望」
最終章まで一気に読み進めたというのに、最後の30ページ余りが結末を知らせる警報が鳴っているようで苦しくて何日かかけて読んだ。
最後まで読みたくなくて、でも読まずにはいられなくて――
湊かなえサンの『告白』に似た読後感で確実に記憶に残っていくのかもしれない。


読者の評価が高い方なので、もう一冊読んでみようかな(‐ω‐)